居住用不動産の配偶者への贈与
皆様 弁護士梅林でございます。
私が居住しているところでは、昨日は、雷がかなり鳴っており、その間、雨も土砂降りのような状況でした。まだまだ暑い日が続き、急な落雷やひどい雨に見舞われるかもしれませんので、皆様お気を付けください。
さて、今回は、居住用不動産の配偶者への贈与について述べたいと思います。
居住用不動産について、あまり相続税対策の期間が取れないような場合、贈与税の配偶者控除を利用した対策が考えられます。
この贈与税の配偶者控除制度とは、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円の他に最高2000万円まで控除(配偶者控除)できる、即ち、基礎控除を含めて最高2110万円まで控除できるという特例です(相続税法21条の6)。
この特例の適用を受けるための主な適用要件は以下のとおりとなります。
① 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
② 配偶者から贈与された財産が、居住用不動産であること、又は居住用不動産を取得する
ための金銭であること
なお、居住用不動産は、専ら居住の用に供する土地もしくは土地の上に存する権利又は
家屋で国内にあるものを言います。土地の上に存する権利は、例えば借地権が該当しま
す。
③ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は贈与を
受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引
き続き住む見込みであること
④ 同じ配偶者から過去にこの特例の適用を受けていないこと
⑤ 一定の書類を添付して贈与税の申告をすること
居住用不動産を贈与する場合、居住用不動産を幾らと評価して贈与税申告をするかについては専門的な知識を要することもありますので、居住用不動産の配偶者への贈与をお考えの方は、専門家にご相談頂くことがよろしいのではないかと思います。


