皆様、銀座法律事務所所属の弁護士梅林です。
今年に入って、東京は全然雨が降らず、めっきり乾燥しております。このようなときは、インフルエンザもまだまだ油
・・・(続きはこちら) 皆様、銀座法律事務所所属の弁護士梅林です。
今年に入って、東京は全然雨が降らず、めっきり乾燥しております。このようなときは、インフルエンザもまだまだ油断できないような状況となりますので、皆様、体調にはお気を付けください。
さて、今回は、死亡後の預金引き出しと相続放棄について書きたいと思います。
例えば、被相続人が死亡した直後に、相続人が被相続人名義の預金口座から100万円を引き出し、その引出金の一部を被相続人の葬儀費用に充て、残金はそのまま現金保管している場合を例と致します。
そのような場合に、相続放棄が否定される法定単純承認事由に該当するかが問題となり得ます。
民法921条1号は、「相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき」には、法定単純承認事由となり、かかる事由が生じた場合、相続放棄が否定されるおそれがあります。
先ず、葬儀費用については、相当な金額の支出は「処分」に該当しないと裁判例で判断される傾向にあります。
そのため、相当な金額にとどまる葬儀費用であれば、その費用を被相続人の相続財産から支出したとしても、相続放棄が認められる可能性は十分にあると考えられます。
また、単に被相続人の預金から引き出し、現金保管しているのであれば、金銭の保管方法の違いとも考えられますので、上記例のように、残金をそのまま現金保管している場合、相続財産の処分には該当しないとして、相続放棄が認められる可能性は十分にあると考えられます。
もっとも、可能であれば、そのまま現金で保管しておくのではなく、被相続人の預金口座への入金が可能であれば、被相続人の預金口座へ入金しておく、保管用の口座を別途作成してそこに入金保管しておくということが、後日、相続放棄の申立てに当たって、裁判所に相続財産を処分していないということを説明する資料の一つとなりますので、望ましいものと思います。