賃貸アパートの相続発生後の賃料の帰属等
弁護士法人吉祥寺法律事務所の弁護士梅林です。
もう東京は梅雨に入ったと言われていますが、連日のように雨が続くということもない日が続いております。
急に気温が上がり、蒸し暑い日もありますので、皆様、熱中症や傷んだ食品を食べての体調不良などにお気を付けください。
今回は、賃貸アパートの相続発生後の賃料の帰属等について述べたいと思います。
賃貸アパートを誰が取得するのかということを定めた遺言書が残されていない場合、最高裁の判例では、賃貸アパートの帰属についての遺産分割協議が整うまでの間、賃貸アパートの賃料の収入は、各相続人の法定相続分に応じてそれぞれ帰属するとされています。
遺産分割の効力は相続開始時点にさかのぼって効力を生じるとされておりますが、その相続財産から生じる財産は、その相続財産とは別の財産であると考えられています。
そのため、遺産分割協議により確定したその相続財産とひも付きで賃料収入は分割されず、各相続人が法定相続分で取得することになります。
例えば、相続人が長男、次男、三男の3人で各自の法定相続分が3分の1ずつ、毎月の賃貸アパートの賃料収入が120万円である場合、後日、長男が賃貸アパートを単独取得するとの遺産分割協議がまとまった場合、被相続人死亡後の毎月の賃貸アパートの収入月額120万円を長男のみが取得するのではなく、長男・次男・三男が各自月額40万円の賃貸アパートの収入を取得することになります。
なお、遺産分割協議で、相続開始後の賃料の配分方法を、例えば長男のみに分配すると決めることは可能です。
もっとも、所得税の申告においては、遺産分割協議が確定するまでは共同相続人がその法定相続分に応じて申告することとなり、申告後に分割が確定した場合であっても、その硬化は未分割期間中の各相続人の所得の帰属に景況を及ぼすものではなく、分割の確定を理由とする更正の請求や修正申告を行うことは認められていないことに留意が必要と思います。


